サーベイの仕方・論文の読み方

情報系院進学予定の卒研生とM1を対象にしています.内容に偏りがあるのは,その分野しか分からないからです.色々な方からのご意見を頂きたいです.

http://written.4403.biz/archives/2008/06/how-to-survey.html

すっかり取り上げるのが遅くなってしまいました.申し訳ないです.
4403 is writtenさんが予告どおり資料を公開してくれました.
ありがたやー.
本人も研究の仕方には人それぞれであるので一般化するのは難しいと述べられていますが
論文の読み方という点ではある程度共通して参考になる点があると自分は思うので
非常に有用だと思いました.
「情報系」というのもポイント.
さて,前半はサーベイに関してなので全部触れるのは割愛させていただきますが
一点,国内シンポジウム/研究会に関しては,自分の資料では全く触れなかったので
とても参考になると思います.あとサーベイした後にそれらのまとめ方がいいですね.
この資料,naoeの資料を見ていただいた後に読むと一層効果があると思われるのが
論文の読み方だろう.
これはいずれ自分も一度はやろうと思っていたが,とてもよくまとめられていると思います.
この論文の読み方に関して取り上げたい点は三点.
一点目は論文そのものの読み方に関する姿勢とその方法
p13〜p15は僕のやり方とほぼ一致.
自分は意識はしていなかったんだけど,そのようにしていたことに気づかされた.
自分はあまり日本にいなかったので,論文を読むときには割と海外にいたときに身に着けたテクニックをしらずのうちに使っていたのかな.
それはエッセイとかを読むときのテクニックを使って読んでいました.
そのテクニックとはドキュメント全体を読むときには最初と最後だけをまず始めに読みなさいということ.
そうしてから徐々にパラグラフを読んでいきなさい.
その時のパラグラフの読み方も頭と後ろにしかエッセンスは無いからそこだけ読めば良いと.
なぜそういう読み方をするかというと,そういう書き方を訓練されるからである.
そういう書き方をしているのだから,そういう読み方でいいのだ.
真ん中らへんはそれらをサポートする事実はあるかもしれないが,主張とかは頭とお尻にあると.
論文はさらに嬉しいことに,言いたいことの95%はAbstractにあるので
そこを読んで興味を持ったら本文を読めばよい.
なので,これを文章化してくれたことはありがたい.
二点目は参考文献の読み方.
そう,論文あまり読んだことが無かったときは参考文献がなんたるかをしらないので
いざ自分が書こう思ったときに書けなかったりする.
こういうの嬉しい.最初はよくProc.とかの略語にとまどったりね.
そして,最後の点は英語論文の読み方.
もうね,これは素晴らしい.
実際,この資料を研究室の後輩に見せたら,この部分が一番喜んでたなぁ.
僕は英語はペラペラとか得意というほどではないが,幸いにもあまり苦にしないので適当に読めていたので
こういうアドバイスは気づかなかったなぁ.
ここ2,3年気づいたのが,意外と院生レベルでも英語が出来ないんだよね.
だから,英語のリーディングの簡単なポイントをおさえてあげるだけで
彼らの実力がぐーっと伸びるのだ.
普段の彼らの読み方をそーっと後ろから覗いていたら,
最初は分からない単語とか全部辞書で引いて論文中に書き込んでて
8ページくらいの論文を読むのに多分2,3日くらいかかっているようであった.
そのうち,A4サイズじゃ書き込めないので論文をA3サイズで出力していた.
それそれで読みやすくて,新聞みたいで面白いなぁと思った.
途中の書き込みもうまい具合に行間が広いので書きやすそうでした.
しかし全体的に気になったのは,論文の全文を真面目に通読しようとしていたこと.
日本人真面目だね.すごいよ.
てきとーに読めばいいのにとか思ったりするわけだが,そんなことを言うとお前はてきとーだなって言われてしまう(笑)
難しい.
でも,読んだ量が増えると自然とスピードが速くなる.
とっても自然な話で,読めば読むほど頻出する単語が分かっているし
テクニカルタームも分かるし,大体意味が分からなくても言いたいことが分かってくるからね.
ということで,ここで挙げさせていただいた三点は非常に参考になった.
他も参考になる点は沢山あるので,学部生やM1あたりのみんなには読んでいただきたい.
最後に,
「テーマ探しなんて「への河童!」」の一文を入れてくれたとことに感動しました(笑)
4403 is writtenさんのちゃめっけを感じたのと同時にきっと良い人だろうなぁとおもった.
僕のてきとーさにあわせてくれてありがとうございました.
今研究している学生はみんな眉間にしわを寄せながらやっている人が多いですが,
あんまり気をはらずに,気楽にお茶しながら研究話できるような雰囲気作りが出来ると最高です.
なんかいいもん見せてもらったので今度は「論文の書き方」っていう資料でも作るかw
あ,でも自分の論文が論文誌に採録されないときっと説得力が全く無いなw
うむ,頑張ろう.

こちらも是非呼んでいただきたい関連トピック

情報系の研究者が研究・論文執筆をする際に知らなくてはならない事や心構え
http://d.hatena.ne.jp/naoe/20080520