「20090620 勉強会おもてなし精神」を読んでみた

http://www.slideshare.net/ripjyr/20090620
事前フォローと事後フォロー,すごいですよね.この気配りはすごい.
勉強会みたいなことは,ちょっとやったことがありますが
あれは開催側の心構えも大事だけど,参加する側の心構えの問題もあるので
難しいところですが,いやぁ,いい時代になりましたね.

大分前に僕はセキュリティ方面のアングラなカンファレンスというか集まりとかにちょこっと参加してて(A.D.200X系とか,どちらかというとセキュリティが全面にでているものでなく,ハック系の)あれは,なんていうか,ものすごい狭い世界でのコミュニティがすでに形成されていて,そこになんとか学部生なのに興味を持ってプレゼンだけでも聞いて,そこから知識を盗んでいた感じでしたね.そのときの僕には人的ネットワークを作ろうとか関わろうと特別思っていなかったし,そういうことの大切さは分かっていなかったんですよね.一応,頑張って喋りかけたけど,多分今その人たちは僕のこと全く覚えてないだろうなぁ...
っていうかもう,見た目も怖すぎて近寄れないし,いい意味で変態な人たちが多くて,あこがれたけど,自分ごときが話しかけるのもとか思ってました.若かったあの頃.あぁいうのを経験すると,大体の普通なイベントでは気楽に人と話せるようになりました.でも,コミュニケーションを強要されないというのも,大事に思っている人たちもその中には確実にいて,難しいところです.要注意.
俺は話を聞いていたいだけで,ほうっておいてくれ!って人たちも当時の集まりにはかなり多数いた.まぁ,でも多分,それは身分的に表に出られない人が沢山いたって話かもしれませんが(A.D.200Xの時は警察関係者とかいたって聞いたし).

でも,分かるんだよなぁ.大抵,盛り上がっているのは大人の人(特に主催者側)たちで,いつも若い人(初回参加者,新人さん)たちがもっと沢山こないといけない!と言ってて.でもその新人さんとしては,その集まりが小さな規模の時から参加しているなら良いけど,大きくなってから参加しちゃうと,開催側もゲストスピーカに大物を呼ぶ傾向があって,余計に初心者がスピーカになったり議論の中心にいるということが難しくなるので,規模の肥大化は,全員のための勉強会という意味では,やめたほうがみんなハッピーだろうと思う.プレゼン大会にするのなら,じゃんじゃん大物を呼べばいい.参加者もがんがん増やせばいい.スピーカは視聴者を置いてけぼりにするくらい高度な話をすればいい.そこには大きな価値がある.全員が置いてけぼりにされるくらい高度だと,みんなぽかーんとするから疎外感は無い.特に若いときは,なんだか分からないけど,すげぇ,レベルたけぇ,かっこいいとか思ってしまう.次来るときには理解できるように勉強してから来ようって思ったものだ.

そういう意味で,勉強会はこじんまりとアングラにやるものだと思ってたけど,今の勉強会スタイルはとても華やかで楽しそうに見える.いいなぁ.ただ,勉強会を主催するのは結構コストがかかるので,開くことで主催側に思いっきりメリットがあるものにして全然いいと思う.むしろ主催者が一番楽しむくらいでちょうどいいのかなと.参加者をおもてなしする,という心構えは素晴らしすぎる.一体どれだけの労力をかけているのだろうか.

僕の中では今行われている,多くの勉強会と称しているものは,知的な社交場というイメージがあります.それはそれで素晴らしいけど,勉強会は勉強したいと思う参加者が集まるべきものだと思うし,そう集まれば自然と質問は参加者から出るし,議論が生まれる.あ,僕の中の勉強会ってディスカッションor輪読なので,そもそも講師がいるスタイルは全部セミナー.規模が小さいだけ.そこに勉強会の要素を入れたいのであれば,コミュニケーションを誘発するような,そういう仕掛けや機会を与えると,勉強会っぽいと思う.

勉強会に,多くの人に参加してもらいたいと思って,いざ多くの人を集めると,ばらばらの目的を持った人が集まっちゃう.主催者側は,その全員を満足させようと試行錯誤すると,余計に大変になるから,もはや勉強会というよりは社交場としての機能しかなくなると思うんですよね.でも,それはそれでいいのだと思う.フェイスtoフェイスで会うことで思いもよらない化学反応がおきるかもしれないので,僕はこういう集まり大賛成だなぁ.

今はいろんなところで勉強会のまとめサイトとかあるので,楽しそう!行ったらみんなが僕を巻き込んで楽しめるのでは??とか思って行くと痛い目にあうと思う.参加者はあまり期待をしないで,行けば落ち込まないのにな.自分は一人で勉強するのはつまらないから,複数人で勉強したほうが,進むかも,くらいな気持ちで.

あと,自分は何も提供しないのに,一方的に知識を得ようと思って参加する人には辛いと思う.ギブアンドテイクが勉強会の基本だと思う.一方的に知識を得たいのであれば,お金を払ってセミナーに行けばいい.

主催者側の工夫としては,募集の段階でなんか予習のお題をだしておいて,集まりの最初にみんなでそれについて議論したり発表したりすれば,強制的に全員喋るので,きっかけとしては,いいと思う.大学のゼミの勉強会ではそうしている.そうしないと,何も準備をしてこないで話を聞きに来る学生がおおいので.話すほうもちゃんとした準備がいるのですが,それなら,聞きにくるほうもそれなりに準備をしてね!って思う.ちゃんと真面目に聞くつもりになると,これもまたちゃんと準備をしないと新しい発見はないし,問題意識が出てこない.と,学生を指導する学生の僕としては,そう思ってたりします.